ロードショウ

ゲド戦記を見てきた。
ネット上でイマイチ評判が良くないのは知っていたのだが
見ないわけにも行かないだろうということで、レイトショウへ。
うーん。
ゲド戦記の物語は大胆に組み替えていて、原作の3巻とは別のストーリーに仕上がっているが
描写や演出はゲド戦記を大事にしようとした結果だなと感じた。

また一方で、自分の中からあふれるイメージを何とか2時間に押し込めるのと
何とか2時間の映画を作れたのとでは、同じ2時間の画面の中から感じられる情報量がぜんぜん違うのだなとも。
宮崎駿監督の持つ異常なまで(変態的でさえある)のイマジネーションを吾郎監督にそのまま求めるのは酷なことだとは思うが、本人がそこを目指して作ってしまっているのでどうしてもそう見えてしまう。
もう十分に成人している吾郎監督が、父の巨大さを受け入れつつ、あえて違いを出そうとしなかったことは、スマートだが、何か物足りない。
醜く、破綻し、批判を多く受けたとしても、父を、その巨大さを乗り越えようという意思を持って作るべきではなかったかと、無責任に思った。きっとどんな結果になっても作り手としての吾郎監督にはもっと何かが残ったような気がするのだ。
宮崎駿監督に「つぶされた」と言ううわさの、当初の「ハウルの動く城」の監督が
袂をわかって撮った「時をかける少女」が思いのほか好評らしい(スイマセン、未見です)事などを聞くと
よけいそう思う。