黒田管兵衛

僕は数年前から、家計の組み立てや管理にわりと真面目に取り組んでいる。
一つには自分が何かをやりたい(事業に限らず)と思った瞬間に、すぐ何かが出来る体制があるようにしていたい、そしてその事が自分にある種の清々しさを与えてくれるに違いないという思いがあったからだ。

今回も、8月のあたまに事業アイディアが会社帰りの電車の中でおりてきた時から、いきなり全力疾走でこれているのも、多分にこの備えによるところが大きい。

僕がそういうことを強く意識するようになったのは、司馬遼太郎播磨灘物語で、黒田管兵衛の話を読んだ事がきっかけだ。
既に息子に家督を譲り、隠居の体を取っていた黒田管兵衛が関が原の合戦の時、西軍と東軍が戦っている今こそチャンスと、九州で兵を起こし、一気に九州全土を制圧し、あわや九州全土の盟主となりそうだったという話だ。
その小説の中で黒田管兵衛はそれまで吝嗇だとまで言われながら蓄えた、蓄財を全て吐き出して片っ端から兵を雇い、勝負に出た様子が描かれていた。
そして、思いのほか早く関が原が決着してしまい、結局は息子が東軍に属していた事もあり、徳川家康のために、九州を平定しておきました、というような建前を取り、あっさり諦めるというラストシーン。
僕はなんだかすごく素敵だなぁと思ったのでした。

時を待ち、時に備える。
そしてその時が来たら、その時のために蓄えていたものを洗いざらい吐き出して勝負する。
それでも勝負は時の運。

僕はわりに影響されやすい人間なので、とにかく勝負時に動けるように

  1. スキルや知識といった無形の資産
  2. 資金という資産

の双方をとにかく備えられるだけ備え続けようと心に決めたのでした。

しかしそこはフツーのサラリーマン。
ヨメは基本専業主婦です。
ボーっとしてたらお金なんてたまりっこありません。
そこで、家計という問題に真剣に、自分が責任と主導権を持って取り組もうと決めたわけです。

で、これからこのカテゴリでは、経営的観点から見た「家計」のやりくりについて、たいしたことは何もしていないんだけど、書いてみようかなと思います。

でも、いろんな起業家と言われる人が、なんだか大きなテーマで面白い事書いているのに、僕は何をとち狂って「家計のやりくりについて書きマース」なんて言ってるんでしょうね。
きっと器が小さいんです。
はい。