マーケティング
最近マーケティングについて考えることが多くて、セス・ゴーディン氏の著書を読み色々触発されている。
彼が繰り返し語っていて、僕の印象に残っている要素は以下のようなこと。
- これまでの伝統的マーケティング手法(土足マーケティング)は通用しなくなってきている。ニーズは全て満たされている。人々は伝統的マーケティングにうんざりしている。
- 伝統的マーケティング手法にかけるコストがあったら、製品そのものにそれを知ったヒトが他人に話さずにはいられないようなストーリーを付与することに使った方がはるかにまし。
- マーケターはセグメントした市場の中の、さらにイノベーターやアーリーアダプターに対して語りかけるべき。つまり中庸な商品、ストーリーではなく、オタク的な人が注意を払うような刺激的で極端なものを提示する。彼らに気に入ってもらえれば、彼ら自身が代理でマジョリティに対してマーケティングをしてくれる。マジョリティはそもそもマーケティングに対して注意を払うことはない。
上記の認識に立つと、対象市場においてもっともボリュームのあるマジョリティに支持されたいがために中庸なマーケティング手法を取っていると、マジョリティ自体はそもそも企業からのダイレクトなマーケティングには反応しない特性を持っているため注意を払わず、イノベーターも面白みがないので注意を払わず、誰にも支持されないという結果になってしまうことが想定される。
市場が持つ基本的なニーズ、ウォンツをつかんだ上で、それをいかにその分野のオタク的資質を持つ人たちに届きやすようにパッケージし、興味を引く極端なストーリーを構築し、彼らに好感を持たれる企業イメージを構築するか。そして次に彼らが興味を持った時にそれを他の人に伝えることが容易になるような仕組み、インセンティブが発生する仕組みを構築することで、BUZZの発生を増幅できるか。
これからのマーケティングはその辺にかかっているように思う。
翻って自らの事業について考えると、勇気を持って中庸でないものを作る気構えを持っていなきゃいけないなと。
ロジックでは理解できても、いざ日々のデシジョンにおいて中庸でないものを選択し続けるのは難しい。
投資なんかでも人が売っている時に買う、買っている時に売るというある種の普遍的な真理があるのに、それを常に実行するのはとても難しい。
多分そういうことと同じなんだと思う。
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