引っ越してから

3週間ほどたった。
暇さえあれば自分の住む町の周辺を歩き回り、美味しくてリーズナブルな食べ物屋、居心地のいいカフェ、美味しいパン屋などを見つけている。
ヨメは自分たちのその行動を、「マーキングして回って、自分の縄張りを確認するんだ」などといっていたが、まさにそういう表現がぴったりするくらい、切実な歩き回り方なのだ。
ただその甲斐あって、一日一日今住んでいる街が自分の街なんだと感じることが出来るようになってきている。
もちろん前に住んでいた街を懐かしく思う気持ちもある。よく歩いた野良猫を良く見かける並木道のことや、隣の大学の学食のこと、数件あったなじみの店のこと、近所のコンビニからヨメと二人でアイスを食べながらフラフラと歩いた生暖かい夏の夜のこと等を思い出すとガラにも無く胸が苦しくないような寂しさを感じることがあるが、それも一時のことだと思う。
以前の街で歩いて5分のところに住んでいた妹夫婦も、明後日に中央線沿線のとある街に引っ越すことになっている。きっと最初は僕ら同様寂しい思いもするが、その分世界は広がり、イロイロなことが活性化する機会なると思う。